父の残した遺言書とは異なる内容で遺産分割をしたケース(小山市乙女)
ご依頼者様は、被相続人(亡くなった父)の相続人の長女です。
母親が8年前に他界し、小山市の自宅に一人で住んでいた父親が急に体調を崩し入院。そのまま自宅へ戻ることなく亡くなりました。父親は生前、公正証書での遺言書を残していました。遺言の内容は、「自宅の不動産は長男が相続する。その他の金融資産は、長男と長女に各2分の1ずつ相続させる。」といったもので、附言事項として、今後、先祖から受け継いだ、自宅(実家)を長男に今後も守っていってほしいことが添えられていました。しかし、長男の職場は東京で、職場の近くにマンションを購入し住んでいるので、将来小山市に住み替えることは考えていません。また、母親が亡くなってから、ずっと父親の面倒を見てきた長女に恩を感じていた長男は、実家も売却して代金を各2分の1の割合で分けたいと思っています。遺言があるので、遺言の内容通りに相続しないといけないのか疑問を持ち、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所の対応
被相続人(父親)は、自宅を代々継がせていくことを望んでいましたが、昨今はこのような相続は減っていて、今回のケースも長男自身は、自宅を相続することを希望していませんでした。このような場合に問題となる点は、被相続人(父親)の気持ちと相続人との気持ちが合致していないところです。被相続人と相続人の気持ちが異なる場合、どう手続きを進めていけばよいのか難しい所です。基本的には、相続は遺言の内容に従って進めていきます。ただ、これには例外があり、相続人全員が合意している場合は、遺言に従わずに、相続人全員で遺産分割協議をすることで、遺言とは違う内容の遺産分割をすることも可能です。ただ、注意すべき点があり、それは相続人全員の合意が必要な事と、仮に遺贈などにより相続人以外の者も相続に絡む場合は、その者の合意も必要になります。
今回は、実家を遺言で相続することになっていた長男は実家を売却し現金化しました。そして売却代金と金融資産を、長男と長女で等分で分けました。
結果
このように被相続人の気持ちと、相続人の気持ちが一致するとは限りませんが、肝心なのは、遺言書を作成する段階で、相続人と被相続人が予め協議し、意思の確認を互いにしておくことが大切ではないでしょうか。
当事務所の強み
当事務所は、行政書士事務所と不動産会社が運営していますので、遺産相続の手続代行、遺産の名義変更、相続不動産売却まで一貫してサポートが可能です。相続に関するご相談は、お気軽に当事務所にご相談ください。