ご依頼人は相続人の長女A様です。A様が幼い頃に両親が離婚をしたため、母親がA様を引き取り、女手一つで育てました。A様は父親と会った記憶がなく、父親がどこにいて、何をしてるのかも知らずに今まで過ごしてきました。母親も数年前に亡くなっていて、詳しい状況がわかる身内もいませんでした。先日、突然市役所から通知があり、父親の死亡を知りました。父親は、佐野市にある自宅(持家)に一人暮らしをしていて、孤独死したとのことでした。相続手続きや、このような物件の相続に関して、不安があり当事務所にお相談にいらっしゃいました。

 

当事務所の対応

当事務所で、早速相続人の調査をしたところ、被相続人(父親)の相続人はA様(長女)だけでした。A様は、幼い頃から父親とは接点がなく、今回の急な相続の話で、相続財産の状況はまったくわかりませんでした。相続財産のなかで、唯一はっきりしてるのは、父親の不動産(孤独死した自宅)だけです。A様と打ち合わせした結果、被相続人と面識はなかったので不動産については相続後即座に売却し、金銭化することにしました。ただし、問題な点は、相続不動産は被相続人が部屋で孤独死していて、更に発見されるまで時間（１５日）がかかってしまっていたことです。不動産の場合、その不動産内で亡くなっていると、売却することが非常に難しくなります。仮に売却できたとしても、このような不動産は事故物件（心理的瑕疵物件）となってしまい相場より安くなってしまいます。
A様にその内容を理解していただき、事故物件であるため、売却が難航する恐れがあることを事前に説明させて頂きました。相続手続きに関しては特段問題もなく、粛々と進めていきました。幸い今回の相続不動産が土地も広く、立地もよかったので、価格は相場の７割くらいになってしまいましたが、想定よりも早く売却することができました。

 

結果

A様との当初の打ち合わせでは、相続放棄も検討していました。なぜならば、被相続人(父親)とは相続人であるA様(長女)は全く面識がなく、相続財産の内容も把握できていなかったからです。しかし、財産調査をし、他に大きな債務もなく、相続財産は、数十万円の預金と、相続不動産だけでしたし、相続不動産がある場合には、相続放棄をすることにリスクがある（相続財産の管理義務）ことを説明させて頂き、その結果売却することとなりました。ただし、相続不動産があるから相続放棄をせず売却した方が、必ずしも良いわけではありません。なぜならば相続不動産が、なかなか売却出来ない場合もあるからです。今回のような事故物件もその１つの例で、あくまで、売却できるどうかも確認しながら手続きを進めていく必要があります。

 

当事務所の強み

当事務所は、行政書士事務所と不動産会社が運営していますので、遺産相続の手続代行、遺産の名義変更、相続不動産売却まで一貫してサポートが可能です。その際、相続不動産の売却可能かの判断や、相続放棄の判断など、不動産相続に関するご相談は、お気軽に当事務所にご相談ください。